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(写真 岩崎弥太郎の銅像は、何故右手を横に出しているのだろう?)



ここは長崎西浜町海援隊本部、全員が集まり会議を行っております。
長い沈黙の後、陸奥陽之助が席を切ったのです。
陽之助 「隊長!隊を辞めさせてください」
竜馬  「陸奥!なんじゃ不甲斐ないわしに愛想尽かしかや!」
陽之助 「違います、このままでは隊は破滅です、高柳楠之助を斬って自分は腹を切ります。」
竜馬  「愚かな事や、高柳楠之助を一人斬ってもどうにもならんぜよ!」
陽之助 「紀州藩を背中に背負った居丈高な態度、許せんのです。」
全員  「先生!わし等も同じ気持ちです。」
龍馬  「困ったねや。いずれ幕府倒そうちゅうモンが、御三家ひとつにこない手を焼くとは情けない。それにしてもあいつらあんなに交渉が上手とは思わなんだ。」
皆で切り込むという隊員をなだめ、独りになるとさすが竜馬も出口のない交渉に諦めの心境でした。
そこに土佐藩土佐商会の岩崎弥太郎が訪ねて来るのです。
弥太郎 「この度は大変な災難でしたね。」
龍馬  「おうー弥太郎か」「ああ・・・災難も災難じゃ、大災難じゃ、いろは丸が始めての航海で沈んだ、えらい損害や、船だけやない、あそこにゃ長崎で仕入れたばかりの最新式のミニエール銃が三百九十丁も積み込んであったがじゃ。一丁十五両としてなんぼじゃ・・・・・・・・」
弥太郎 「五千八百五十両です。」
龍馬  「そうか! とにかく紀州藩は、コマイ船が避けるのは当たり前じゃって、全然払う気はないし、もうイヤになったぜよ。」
弥太郎 「交渉を放棄するちゅうこちですか!」
龍馬  「そんなこと言うちょうらんが、どうにもならんぜよ」「わしゃ不運の男じゃ」「おまんのような、そろばん侍にはわからんぜよ。」
そこで弥太郎は、前の記事に書いた言葉で龍馬を戒めたのです。
弥太郎 「わしはな、おまんのことを羨ましいと思っておったんじゃ、わしは学問はできたが剣術ができん、船も動かせん、家や親や土佐藩を捨て飛び回る度胸もない、郷士株を買って侍になった裕福な家の息子、わしは逆に郷士株を売って地下郎人に落ちた貧乏人の小伜じゃ、何が不運じゃ、おまんはわしにないもんを全て持っとるやないか、何もかも持っとるおまんが頑張ってくれんと、わしらもやる気になれんじゃないか!」
龍馬  「・・・・・・・・・わかった!弥太郎わしが間違うてた、明日は紀州藩との最後の交渉じゃ、すまんが力かいてくれ!」
弥太郎 「承知した!」「先ず記録を徹底的に洗いなおす。」

こうして弥太郎は、最終の交渉に参加するのです。・・・・・・・・・では又、明日。