富来のお祭り通称くじり祭りは、旧暦の八月朔日に祭礼が執り行なわれていた事がこの名の由来で、本当は八朔祭りと言う。
その昔、八幡神社の男神が増穂浦に流れ着き、近くの住吉神社の女神に救われて夫婦になった。しかし、住吉神社は海が近いため厳しい荒波が怖くなり、やがて八幡の男神は里へ移り住んだ、気の弱い男神様。

以来、夏の一夜の逢瀬を楽しむ男神を神輿に乗せ、2k離れた住吉神社の女神のもとへ賑々しく運ぶのが祭りになったと伝えられている。

「くじり」とは、「ひっかく」とか「タッチ」とかの意味があり、男神が増穂浦に流れ着いた時、拾い上げたのが老夫婦だったとか、御爺ちゃんがその時誤って御婆ちゃんのあそこを触ってしまった。それで別名くじり祭りとも言われるのだ。

僕が高校の時は、卑猥な祭りというので参加してはいけない事になっていたが、僕は勿論参加した。能登の三大祭でもあるので観光客も多く、祭りの参加者は女性の股を触ってもいいと言う暗黙のルールがあり、男には楽しい祭りだ。

しかし、観光客を行き成り触ればトラブルも多く、昔は機動隊が来ていたくらいだ。

現在は、犯罪になるので昔のような事は無いので安心して見て欲しい。

祭りは、1日目の晩がお旅と呼ばれ、八幡神社の男神が住吉神社へ渡御される。

渡御に先立って、寄り合う各地区民が鐘や太鼓を打ち鳴らし、大小のキリコ(奉灯)を伴って八幡神社に参集し、キリコが高い為電線を張っていない、住吉神社への暗闇の道を漆塗りのキリコが進んでいく光景は非常に華美である。
明けて2日目の本祭りは昼過ぎから行われ、12基の神輿が住吉神社に参集後、世界一長いベンチの渚に整列する光景も圧巻である。