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この季節の白山麓が好きで、最近はトレー生活が多い。

 「あらたふと青葉若葉の日の光」 芭蕉

 「奥の細道」の旅で芭蕉が詠んだこの句は、地名の「日光」に日の光をかけた技巧的な句と解釈されることがあるが、句の眼目は初夏の木々の濃淡さまざまな葉を「青葉若葉」と端的に表現したところにある。

 白山麓も今は、こんな感じである。

 葉の緑色をつくっているのはクロロフィル(葉緑素)で、植物色素にはこのほかに黄色をつくるカロチノイド(カロチンとキサントフィルの混合物)がある。この2つの物質の割合の変化によって葉の色がさまざまに変わるわけである。夏の青葉では、平均するとクロロフィル8に対しカロチノイド1の割合で含まれている。その割合は日当たりぐあいで変わるので、一本の木の葉でもわずかずつの緑色の変化はある。

 僕は、油絵を少し嗜むが、初夏の木を描く時、先ずグリンとイエローを手に取る。

そして、被写体を見ると清々しさが胸いっぱいになる。