鳥越城から、手取川の支流大日川のそのまた支流、堂川の谷を6kmほど遡ったところに五十谷(ごじゅうだに)の集落がある。
集落南端の八幡神社境内に立つのが、幹周/7. 90m、樹高/39m樹齢1200年大杉である。
近くに清水もあるので、どちらかと言うとそちらの方が目的かも知れない。
境内に入ると、「これかー」と大杉は、直ぐに分かった。
御参りを済ませて、大杉を見やげた。
太い枝を水平に長く伸ばす姿態は、ウラスギ(アシウスギ)のなかにあっても極端で、まるで別の樹種を見ているようだ。
参詣者の危険回避のため、整理された大枝も多く見られる。本来ならば、もっとずっとたくさんの腕を伸ばしていたと思われる。
この老杉の下で拍手を打ち、樹の梢で「 おう」と答える声があれば、願いが神に通じたとされるが、やってみたが答えはなかった。
通称は「神明の大杉」。樹木に触れると、水の流れる気配が鼓動のようだ。