食
「農口 尚彦」
日本酒好きの人であれば、この名をご存知の人も多い!
2014年、自ら名前を付けた「農口 」が農口 酒造から発売された。
なかなか手に入らず、このお酒に出会って口にした時の幸福感は、今も鮮烈に覚えている。
しかし、2016年農口氏は、経営者側とのトラブルで会社を退社したと聞いた。
現在も、農口 酒造から「農口 」は販売されているが、何か偽者臭くて飲まなくなってしまった。
ところが農口氏が「株式会社 農口尚彦研究所」として復活したのだ。
改めて紹介しょう。
農口氏は、石川県珠洲郡内浦町出身の有名な能登杜氏で、菊姫・上きげんの農口尚彦、天狗舞の中三郎、満寿泉の三盃幸一、開運の波瀬正吉の4人は「能登杜氏四天王」と称される。だが能登杜氏四天王の他の3名も農口氏に教えを請うたとのこと。
農口尚彦氏は、現代の「酒づくりの神様」なのだ。
そのお酒が今目の前にある。
そして口にした。
「おおーこれぞ日本酒!」
1月6日、今年も甘海老が解禁なった。
西海漁港(志賀町)、県漁協西海支所の漁船8隻が操業し、約30~40k沖に仕掛けたかごから甘エビを水揚げする。
西海は、僕の生まれた所、同級生などもこの仕事に従事している。
透き通ったあめ色でピチピチと跳ねる、冬の味覚の登場に西海港が活気づく。
甘海老のかご漁は西海漁港の冬の代表的な漁で、傷みが少なく生きたまま水揚げできる。
「能登とき海老(えび)」のブランド名で生きたまま出荷する事もしているが、本当は、甘海老は水揚げされてから1~2日たつと甘味が出てくるのだが!
とにかく、友達から大量に甘海老を頂いた。
今夜は、先日発売された能登島で生産された米で作った清酒「能登島」と、醤油は小豆島のヤマロクで頂く。
何故、魚を食べられるようになったのか!
質問が多いので記事にします。
僕の生まれた所は、能登!
冬は、荒れ狂う海と雪、人々も寡黙でじっと春が来るのを待っている。
しかし、1年に一度ブレコーで発散する日がある。
夏祭りだ。
キリコに灯が入り、家々はごちそうを沢山作り、人々を迎える。
その日は、隣村の祭りだった。
その村に漁師の友達いて、そこに出かけて行った。
家に入ると、ご馳走などは何もない、彼の家は母が無くなり、父と兄と3人家族の家だったのだ。
その事を知らなかった僕は、お祭りでもこんな家があるのだと認識した。
彼は、明るく「内は何も無いけど、ビールだけはあるよ!」と言った。
2人でビールを飲んでいると、彼は独り言のように「何かつまみ・・・」と言って立ち上がり台所に向かった。
そして、「しいら」と言う魚を慣れた手つきで刺身にした。
刺身だけを皿に盛り上げて出してきた。
勿論、彼は僕が魚を嫌いな事など知らない。
「しいら」は、直ぐ悪くなる魚であまり刺身では食べない。
何も無い部屋で、畳の上に盛り上がった刺身と、缶ビール(17歳なのにビールは変だが昔の事、許して!)この状態では、食べざるを得ない。
彼の優しさが、何処にもない美味しいご馳走だった。
この出来事から、僕は魚を食べれるようになった。