トルコ共和国のエーゲ海岸沿いに、エフェソスという街がある。
その町にアルテミスの神殿がその美しい姿を、わずか残している。
世界の7不思議を選んだビザンティウムの哲学者フィロンも、アルテミス神殿は、「神々のただひとつの家である。」と言っている。
又、「他の不思議は影に隠れてしまった」とも言っている。
アルテミス神殿のあったエフェソスという町はカイストル川の河口にある港町だった。
川上からの土砂が堆積し,港が埋まる現象が定期的におきた。
このことから逃れる為に街は移動を繰り返したのだ。
初期の神殿は紀元前700年頃建設されたが,上記の理由で何度も移動を重ねて、移築されるたびに神殿の規模は大きくなり,3回目の神殿は正面16.43m,奥行23.2mになっていた。
しかしこの神殿も紀元前356年に放火により全焼してしまったのだ。
その後,再建で正面55m,奥115m,高さ19mの大理石の円柱127本を使用した巨大な神殿が建設された。
この神殿はアテネのパルテノン神殿の2倍以上の規模である。
紀元前265年ゴート人の侵入を受けアルテミス神殿は破壊された。
そして神殿は川が運んでくる土砂のため完全に埋まってしまい,長い間存在は忘れられていた。
1869年イギリスの学者J.T.ウッドが発掘したのだ。
現在,アルテミス神殿跡には柱が1本復元されているが、この一本の柱を見ても優美な建築物であったことが想像できる。
ハリカルナッソスのマウソロス霊廟