1977年、イギリスのBBCテレビでドキュメンタリー番組が制作された。
この番組ではカブレラ・ストーンの真相を探り、ある1人の農民を見つけた。
彼の名前はバジリオ・ウチュヤだ。
バジリオ・ウチュヤは妻のイルマ・グチエレス・デ・アパルカナと共謀して、カブレラ・ストーンのニセモノを作ったと告白したのだ。
ウチュヤによれば、石は歯医者が使うドリルを使って削っていたという。また色は靴墨を使って黒くし、ロバや牛の糞の中で焼くことで古色蒼然とした古い外観に見せかけていたという。
そして、この糞の中でカブレラ・ストーンを燃やすカマドも発見された。
BBCテレビのスタッフがカブレラ・ストーンを貰って帰り、ロンドンの地質科学研究所で詳しい調査をしてもらったところ、彫刻の切り口がシャープすぎて、古いものなら当然あるはずの磨耗の類が無いこと、古びて見せる為に着色をした跡が見つかったことなどから、「比較的最近作られた偽造品である」との鑑定結果を出している。
しかし、気になる話しがある。
ウチュヤは盗掘の疑いをかけられ警察の取調べを受けたことになった時、カブレラ博士とは石を売り買いする仲だったウチュヤは、カブレラ博士のところに相談に行った。
相談を受けた博士は、「以後のこともあるので、自分のところへ持ち込んでいる石は、あなた自身が彫った偽物だということにしてはどうか」提案した。
ウチュヤはその案を受け入れたが、偽物で押し通すには、彼自身がそれを作る技術を身につける必要があった。それが、ウチュヤが偽物作りを手がけるキッカケになったのだという。そしてその後、ニセモノ作りが金になることを知ったウチュヤは、発掘の合間に副業に精を出すようになっていったという。
だがウチュヤは、継続的に買い求めてくれるカブレラ博士だけには、オクカヘ砂漠から探し出した本物を渡し、ニセモノを渡すことはなかったというのだ。
この話は事実なのか分らないが、カブレラ博士の所有する1000個のカブレラ・ストーンの中には本物があるのかもしれない。
カブレラ・ストーンは、僕のオーパーツのリストから外そう!